教皇ベネディクト16世は、15日、韓国の盧武鉉大統領を迎えられた。
教皇と大統領の個人会談は半時間近くにわたり、この中ではカトリック教会と行政当局間の合意に基づく協力関係をはじめ、バチカンと韓国の友好関係が確認された。
また、東アジアの政治・社会状況に触れる中で、特に朝鮮半島における和解のプロセス、同地における人権の尊重と推進が話題となった。
この会見で教皇は盧大統領に書簡を託された。
教皇はこの書簡の中で、50年以上におよぶ分裂による韓国の人々の苦しみ、互いに離れ離れになった家族や親類たちに思いを寄せられ、相互の交信を妨げている問題の早急な解決のために祈られている。
また、人間の尊厳が様々な形で脅かされている現代世界において、命の神聖さ、結婚や家庭を保護するために努力する同国のすべての人々に励ましをおくり、特にこれらのテーマに対する韓国のカトリック教会の活発な取り組みに言及された。
一方、同地における核兵器の脅威にバチカンの深い憂慮を示された教皇は、平和的方法を通し緊張関係を解決できるよう当事者同士があらゆる努力をもって交渉を続けるよう促されると同時に、北朝鮮の人々に人道支援が欠けることのないように願われた。
さらに教皇は、経済発展が進む同国において、すべての国民がその繁栄を享受できるよう、共通善と社会正義の推進を追及するすべての人々と政府の協力を望まれた。
盧大統領は、教皇との会見後、バチカン国務長官タルチジオ・ベルトーネ枢機卿とも会談した。
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