教皇ベネディクト16世は、バチカンで11日、日曜正午のアンジェラスの祈りの集いを持たれた。
四旬節に入り3回目の日曜日、教皇はこの日の福音朗読箇所(ルカ13,1-9)の前半部分を考察された。ここでは、反乱したガリラヤ人へのピラトの弾圧と、シロアムの塔の崩壊という二つの悲劇的な出来事に対するイエスのコメントが伝えられる。
これらの事件・事故を犠牲者たちの何らかの罪の結果ではないかと考える人たちに対し、イエスは彼らがほかの人々よりも決して罪深かったわけではないと言い、「あなたがたも悔い改めなければ、皆同じように滅びる」と忠告する。
教皇はこの教えについて、イエスは、不幸な出来事を犠牲者のせいにせず、人間の存在の不安定さを問い、悔い改め、よりよく生きようとすることを真の賢明さとして示されているのであり、人間の生を揺るがす出来事に対する唯一の答えとして回心の必要を説かれたのだ、と説明された。
何よりも真剣な良心の究明をし生活を清めることで悪に応えるようにというキリストの招きを指摘された教皇は、自分を決して問い直すことのない人や社会はイエスの言う「滅び」の道をたどるしかないと述べられた。
問題や災難など人の力では避けられないことに出会っても、回心はそれらに対し「異なる方法」で立ち向かうこと、精神面において悪に善をもって打ち勝つことを可能にしてくれると教皇は述べ、キリスト者たちが回心の重要さと素晴らしさを再発見できるよう聖母の助けを祈られた。
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