教皇ベネディクト16世は、25日午前、ローマ北部郊外の小教区を司牧訪問され、信者と共にミサを捧げられた。
教皇が訪れたフィデネ地区は、紀元前4世紀にローマに征服されるまで古代の町が栄えたことで知られる。現在は戦後進んだ開発で住宅が広がり、人口の急速な増加が見られる。
フィデネには聖フェリチタとその息子たちに捧げられた教会がある。1959年、小さな郊外地区の住民の心の支えとして始まった教会は、半世紀の間に次第に形を整え、多くの信者を抱えるようになった。小教区発足後間もない1965年に教皇パウロ6世の訪問を受けている。同教会への教皇の訪問は以来42年ぶり。
この日曜日、住宅地に入られた教皇は、若者や子どもたちをはじめ鈴なりの住民たちの熱い歓迎を受けられた。
ミサの説教で、福音朗読箇所「姦通の女」(ヨハネ8,1−11)のエピソードを取り上げられた教皇は、「ただ神の赦しとその愛を開かれた誠実な心で受け取ることだけが、悪に陥らず罪を繰り返さないための力を私たちに与えてくれる」と述べ、「神は正義の神であると同時に愛の神であり、キリストが罪を憎むのは、すべての人間を限りなく愛されるからである」と強調された。
ミサの後、教皇は教会の司牧者、協力者、信者たちに温かい挨拶をおくられ、一人ひとりが教会の生きた石となり、皆でそれを築き支えていくよう励まされると共に、同小教区の発展と、よき復活祭の訪れを祈られた。
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