教皇ベネディクト16世は、バチカンで18日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。
ローマはこのところ夏のような陽気が続いている。晴天の下、聖ペトロ広場で行なわれたこの日の謁見には、およそ5万人が参加した。
謁見中のカテケーシスで教皇は、初期教会の教父たちの考察として、アレクサンドリアの聖クレメンスを取り上げられた。
偉大な教父、聖クレメンスは、おそらく2世紀中頃、アテネに生まれた。多種多様な文化が交差するアレクサンドリアに若くして赴き、要理研究所の指導者となった。多くの文献は彼が司祭に叙階されたことを示している。202年から203年の迫害下、カイサリアに渡り、215年頃カッパドキアで没した。
福音とギリシャ哲学の伝統の豊かな出会いを推進したクレメンスにとって、キリストにおける信仰は、古代の哲学者が理性を通して追求した真の知識を与えるものであったと教皇は述べ、信仰と理性は互いに不可欠な2つの翼であり、これによって人間の精神は真理、すなわち神のみことばである、キリストを理解することができるという彼の教えを解説された。
また教皇は、人間の最終的な目標は神に似た者となることとしたクレメンスが、知性だけでなく、徳の成長においてさらに神に似た者となるよう努力を呼びかけていることを強調された。
そして、特に哲学的対話をはじめ、キリスト信仰の真理をはっきりと説明する努力において、聖クレメンスを現代のすべてのキリスト者、カテキスタ、神学者の模範として示された。
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