教皇ベネディクト16世は、25日、水曜恒例の一般謁見を行なわれた。
晴天のもと、聖ペトロ広場で行なわれた謁見には、およそ2万5千人が参加した。
謁見中の教皇によるカテケーシス(教会の教えの解説)では、初代教会の教父たちの考察として、アレクサンドリアのオリゲネスが取り上げられた。
教皇はオリゲネスをキリスト教思想の全体的な発展において決定的な役割を果たした人々の一人として紹介。オリゲネスはアレクサンドリアのクレメンスの業績を受け継ぎ、優れた神学者として斬新な方法をもってキリスト教思想上に大きな足跡を残したのみならず、多くの弟子たちが彼を真の教師として回想しているように、模範的な生活態度をもってその教えを証ししたと述べた。
また教皇は、オリゲネスの生涯が常に殉教への熱望と共にあったことを指摘された。オリゲネスが17歳の時、セプティミウス・セウェルス帝のもと、父レオニデスが殉教。彼自身も殉教を切望し続ける一方、父の模範に従いキリスト者として高潔に生きることが、殉教者である父を敬い、キリストを証しする道だと確信。後に彼自身、デキウス帝の迫害で逮捕され拷問を受け、それが原因で間もなく亡くなったその生涯を振り返られた。
オリゲネスにとって神学とは、本質的にみ言葉を説明し理解することであったと教皇は述べ、み言葉の寓意的・霊的解釈を強調し、「文字通りの理解」「倫理的理解」「霊的理解」の3段階を経て深い祈りと神との交わりに導かれると説く、彼の教えを解説された。
聖書の深い黙想とそれにふさわしい言動一致の生き方において教会は常に刷新し、決して古びることのないみ言葉は聖霊の働きによっていつも新たに私たちを完全な真理へと導いてくれることをオリゲネスは教えている、と教皇は述べ、すべてのキリスト者がみ言葉によって祈り、養われるようにと祈られた。
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