教皇ベネディクト16世は、16日、キプロス正教会の最高指導者クリゾストモス2世大主教とお会いになった。
クリゾストモス2世大主教は、12日よりローマを公式訪問していた。
大主教を温かく迎えられた教皇はその挨拶で、過去の分裂の歴史や困難にも関わらず、一致と和解を求め続ける両教会の歩みを大きな恵みとして喜ばれ、神への信頼と祈りのうちにこの道を共に進んでいくことができるようにと祈られた。
そして、教皇と大主教はこの機会に10章からなる共同宣言に署名された。
この共同宣言では、両教会のより一層の友好協力関係と神学的対話の推進、キリスト者の一致を誠実に追求する努力が表明されている。
また、両教会は、30年以上続くキプロス問題、深刻化が懸念される中東情勢をはじめ、闘争や対立の絶えない今日の世界状況において暴力や武力闘争に反対し、平和的共存と相互理解、建設的協力の必要性を訴えている。
さらに共同宣言は、人権擁護、人間の命の価値とその保護をアピールすると同時に、貧困、飢餓、疾病に苦しむ国々への連帯、環境保護への取り組みを世界に呼びかけている。
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