教皇ベネディクト16世は、バチカンで4日、水曜恒例の一般謁見を持たれた。
この日の謁見は、聖ペトロ大聖堂とパウロ6世ホールの2会場で行なわれた。教皇は大聖堂の巡礼者に挨拶された後、パウロ6世ホールでカテケーシス(教会の教えの解説)などを行なわれた。
教皇は謁見中、来年にせまった2008年ワールドユースデー(世界青年の日)シドニー大会を準備している若者たちに向け、次のように励ましのメッセージを読み上げられた。
「親愛なる若者の皆さん
シドニーでのワールドユースデーでお会いするまであと1年となりました。私は皆さんが司教や司祭、修道者らと共に、信仰の素晴らしい祭典をよりよく準備できるよう励ましたいと思います。
小教区生活を深く生き、教区の催しに熱心に参加してください。そうすることで皆さんは来年7月にシドニーに集った時、私たちの信じている事柄の深遠さを新たに体験するための精神的準備ができていることでしょう。
『あなたがたの上に聖霊が降ると、あなたがたは力を受ける。そして、あなたがたは地の果てに至るまで、わたしの証人となる』(使徒言行録 1,8)。皆さんもご存知のとおり、このイエスの言葉は2008年ワールドユースデーのテーマです。使徒たちがこの言葉をどのように聞いたのかは、想像するしかありませんが、彼らの混乱は、畏敬の念と聖霊の早い訪れを熱心に待つ思いで静められたに違いありません。高間でマリアや仲間たちと心を合わせて祈っていた彼らは、聖霊の真の力を体験し、彼らの不安や恐れ、分裂は、決心と希望と交わりに変えられました。
畏れと熱心な期待は、シドニー大会を準備する私たちの気持ちをも表わすものでもあります。私たちの多くにとって、シドニー行きは長旅となるでしょう。しかし、オーストラリアの国と人々は、温かいもてなしと、素晴らしい自然の美しさ、先住民の古くからの歴史と、多様で活気ある町と共同体のイメージを喚起してくれます。すでに教会と政府関係者が、多くのオーストラリアの若者たちと共に、私たち皆に素晴らしい体験を保証するために非常な努力をしてくださっていることを私は知っています。これらの皆さんに心からの感謝を表したいと思います。
ワールドユースデーは単なるイベントではありません。それは霊的刷新の時であり、その実りは社会全体のためになるものです。若き巡礼者たちは、祈り、み言葉と聖体に養われ、人間の霊魂を照らし『キリストから流れ出る愛のしるしと道具』(回勅『神は愛』33)となる道を示してくれる聖霊によって変えられたいと願っています。
世界が熱望しているのはこの愛、キリストの愛です。ですから、皆さんは多くの人々からキリストの証し人となるよう求められています。皆さんの友達の中には、新しい体験を次から次に虚しく追い求めることに夢中になっているためか、人生の真の目的を持てない人がいるかもしれません。彼らもワールドユースデーに連れてきてください。実際、世俗主義の流れに逆らって、多くの若い人たちが正真の美と善と真理の確かな探求を再び見出しつつあることを私は知っています。あなたがたはその証しを通して神の霊を探し求める彼らを助けるのです。勇気を持ってキリストを証ししてください。すべての人生に意味を与え、すべての人に永続する喜びと幸福を可能とする、キリストの導きの光を広めるよう努力してください。
私の親愛なる若い皆さん、主が皆さんすべてをシドニーでの出会いまで守ってくださいますように。私たちの準備をキリスト信者の助け、南十字星の聖母に託しましょう。そして、聖母と共に祈りましょう。『聖霊よ、来てください。信者たちの心を満たし、その心をあなたの愛の火で燃え立たせてください。』」
また、教皇はこの日のカテケーシス(教会の教えの解説)で、初代教会の教父の考察として、4世紀の偉大な司教、聖バジリオを紹介された。
![]() |
|||
|