教皇ベネディクト16世は、15日、夏期休暇のため滞在中のロレンツアーゴ・ディ・カドーレで、日曜正午のアンジェラスの祈りの集いを持たれた。
イタリア列島はここ数日猛暑を記録しており、北部の山間部も高温に見舞われている。この日も朝からの強い日差しにもかかわらず、会場となったカステッロ・ディ・ミラベッロの前庭には、地元市民はもとより、近隣地域や外国からの参加者が詰め掛け、教皇を熱心に歓迎した。
教皇はこの集いで、ヨハネ・パウロ2世もたびたび滞在されたここロレンツアーゴから望む美しい景観、人々の温かいもてなしに感謝を表された。
「素晴らしい草原や森、空に伸びる山々のいただきを前に、神の偉大な業を称えずにはいられません」と教皇は話され、こうした自然の美しさの賛美はおのずと神への祈りとなっていくと述べられた。
この日の聖書朗読箇所である善きサマリア人のエピソード(ルカ 10,25-37)を取り上げられた教皇は、イエスが隣人を愛するとはどういうことかを示すために善きサマリア人の話をされ、その後で「行ってあなたも同じようにしなさい」(ルカ 10,37)と招いていることに注目された。
神でありながら人となられ、私たちのために命を捧げられたイエスこそが最高の善きサマリア人であると指摘された教皇は、愛はキリスト者の生活の中心であり、聖霊によって私たちの中に引き起こされた愛だけが私たちをキリストの証人とすることができると説かれた。
また、この日、教皇は開幕まであと1年となったワールドユースデー(世界青年の日)シドニー大会への精神的準備と多くの参加を若者たちに願われた。そして、翌16日に記念されるカルメル山の聖母に同大会の準備と開催中の実りを託して祈られた。
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