北イタリア・ヴェネト州のロレンツァーゴ・ディ・カドーレで夏期休暇中の教皇ベネディクト16世は、20日夜、地元のコーラスグループのコンサートに耳を傾けられた。
ベッルーノ=フェルトレ教区司教の主催で、教皇が滞在されている山荘からごく近いカステッロ・ディ・ミラベッロを会場に行なわれたこのコンサートには、ドロミーティ=アルプスの一角、カドーレ地方を代表する7地区からそれぞれの合唱団が参加し、伝統のハーモニーを披露し合った。
豊かな表現と共に生き生きと響く歌声の数々を堪能された教皇は、コンサートの終わりに合唱団員らに心からの感謝を表された。
「ドロミーティの地の偉大な音楽の伝統を前に、私は聖アウグスティヌスの『歌の源は愛である』という言葉を思い起こしました」と述べた教皇は、歌は愛の表現であり、参加した人々の歌に、神から与えられた美しい土地・自然への愛と、創造主である神への愛を感じることができたと話され、このように養われ高められた貴重な民族文化をさらに推進し、未来に伝えるよう願われた。
また、教皇は、他の歌い手や指揮者に配慮しつつ、音楽としての全体性を追求する合唱の特性を指摘され、コーラスを学ぶことは、生活や平和を学ぶことであるとも述べられた。
そして、第一次世界大戦でこの地方が激しい攻防戦の舞台となった悲しい歴史に言及された教皇は、私たちは現在のヨーロッパに平和が与えられたことを神に感謝し、世界の平和のために力の限りを尽くさなくてはならないと強調され、この美しい音楽が平和を目指す努力と、平和を生きる助けとなることを確信していると、関係者に励ましをおくられた。
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