教皇ベネディクト16世は、バチカンで14日、日曜正午のアンジェラスの祈りを巡礼者らと共に唱えられた。
集いの説教で教皇は、この日の福音朗読箇所、イエスが重い皮膚病を患う人々をいやすエピソード(ルカ17,11-19)を取り上げられた。
ここでイエスは10人の人をいやすが、その中で1人のサマリア人だけが神を賛美しながら戻ってきた。イエスは彼に「立ち上がって、行きなさい。あなたの信仰があなたを救った」と言う。
教皇はこの箇所における考察として、2つの点を示された。
まず、教皇はこのエピソードに、体のいやしと、さらに深く存在全体に影響を与える心のいやしの、2段階のいやしがあることを指摘。このいやしの2段階を「健康」と「救い」という言葉で説明された教皇は、新しく満ち溢れる決定的ないのちを与えられるという意味で、救いは完全で根本的ないやしであると説かれた。
信仰こそは、神、自分自身、そして他の人々との深い関係を取り戻させ、人を救うと教皇は述べると共に、いやされたサマリア人のように感謝することを知る者は、主の恵みに心を開き、すべてが主の賜物、恵みであることに気付くことができると話された。
そして、人間や社会を損ねる真の病とは罪、すなわち人の心に無関心や憎しみ・暴力を生む高慢や利己心であり、この病をいやすことができるのは愛である神だけであると強調された。
この日、聖母のファティマの牧童への出現90周年記念年の閉会ミサのためポルトガル・ファティマの聖母巡礼聖堂に集った巡礼者たちに教皇はTV・ラジオ中継を通じて挨拶をおくられた。
また、暴力が続くイラクで、モスル大司教区シリア・カトリック典礼の司祭2名が拉致され命が脅かされていることに対し、教皇は「暴力は緊張の解決に繋がらない」と再び訴えつつ、一刻も早い2司祭の解放をアピールされた。そして、彼らの解放のため、暴力に苦しむ人々のため、そして平和のために主に祈られた。
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