教皇ベネディクト16世は、バチカンで24日、枢機卿会議を開かれ、この中で23人の新枢機卿の任命式をとり行われた。
この朝、聖ペトロ大聖堂の教皇祭壇の前は、世界各国から集った枢機卿たちの鮮やかな緋色の衣で埋まった。
任命式に臨む新しい枢機卿たちが教皇と共に大聖堂に入場すると、会場は温かい拍手で包まれた。
聖書朗読の後の説教で教皇は、キリストに倣い、神と教会と人々へのために必要ならば命を差し出すことも恐れない、無償の「愛の奉仕者」となるよう新枢機卿らを励まされると同時に、彼らがキリストとその福音にどこまでも忠実に留まることができるよう、教会のすべての信者を一致した祈りに招かれた。
教皇は新枢機卿たちが世界の様々な国を出身とし、教区の司牧者の第一線で働く者や、教皇庁の仕事にたずさわる者などその任務も実に多様であることに、教会の普遍性を見出された。
新枢機卿たちの司牧に託された人々にも親愛の思いを示される中で、教皇は特に非常に困難で複雑な状況を生きるイラクの教会共同体に思いをはせられた。今回エマヌエル3世デリー、カルデア典礼バビロニア大主教を枢機卿団に迎えたことは、イラク国民へのご自分の愛情の具体的な表出であると述べ、同国のキリスト者に対する全教会の連帯を改めて強調された。
また教皇は説教の中で、枢機卿任命発表の直前に急逝したイグナシー・ジェズ、ポーランド・コシャーリン−コウォブジェク名誉司教を心に留められた。
教皇は23人の新枢機卿の一人ひとりに、赤いビレタ(聖職者用の角帽)と任命書を手渡され、平和の抱擁を交わされた。
この日、新しく任命された23名の枢機卿は以下のとおり。(敬称略)
レオナルド・サンドリ、東方教会省長官
ジョン・パトリック・フォーリー、エルサレム聖墳墓騎士団団長代行
ジョヴァンニ・ラヨロ、バチカン市国委員会議長、バチカン市国行政庁長官
ポール・ジョセフ・コルデス、開発援助促進評議会議長
アンジェロ・コマストリ、聖ペトロ大聖堂主席司祭、バチカン市国司教総代理、ファブリカ・ディ・サン・ピエトロ議長
スタニスラウ・リルコ、信徒評議会議長
ラファエレ・ファリーナ、バチカン図書館・文書館管理責任者
アグスティン・ガルシア・ガスコ・ヴィセンテ、スペイン・ヴァレンシア大司教
ショーン・バプティスト・ブラディ、アイルランド・アルマー大司教
ルイス・マルティネス・シスタチ、スペイン・バルセロナ大司教
アンドレ・ヴァン・トロワ、フランス・パリ大司教
アンジェロ・バニャスコ、イタリア・ジェノヴァ大司教
テオドール・アドリアン・サール、セネガル・ダカール大司教
オズワルド・グラシアス、インド・ボンベイ大司教
フランシスコ・ロブレス・オルテガ、メキシコ・モンテレー大司教
ダニエル・N・ディナルド、米・ガルベストン−ヒューストン大司教
オディリオ・ペドロ・シェレル、ブラジル・サン・パウロ大司教
ジョン・ンジュエ、ケニア・ナイロビ大司教
(以上、80歳未満の有権枢機卿18名)
エマヌエル3世デリー、カルデア典礼バビロニア大主教
ジョヴァンニ・コッパ、教皇大使
エスタニスラオ・エステバン・カルリック、アルゼンチン・パラナ名誉大司教
ウルバーノ・ナヴァレーテ、イエズス会士、教皇庁立グレゴリアン大学元学長
ウンベルト・ベッティ、フランシスコ会士、教皇庁立ラテラン大学元学長
(80歳以上の枢機卿5名)
これらの新枢機卿の任命によって、現在の全枢機卿数は201人、そのうち教皇選挙の投票権を持つ80歳未満の枢機卿は120人となった。
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