教皇ベネディクト16世は、6日、スイス衛兵隊員らに挨拶をおくられた。
訪れる人々に、その姿を通してバチカンの歴史と伝統の一角を伝えるスイス衛兵。教皇の護衛とバチカンの治安管理を目的に、ユリウス2世がこの衛兵隊を結成したのは、1506年のこと。現在も使用されている青と黄の幅広の縦縞の衣装は、バチカン宮殿内のラファエロのフレスコ画などにみられる当時の衛兵の面影をそのままに伝えている。
毎年5月6日に、バチカンではスイス衛兵隊を記念する一連の行事が行なわれる。これは、1527年5月6日、神聖ローマ皇帝カール5世の軍隊による「ローマ略奪」の際、時の教皇、クレメンス7世を守るため、147人の隊員が命を落としたことを思い起こすもの。
6日早朝、隊員らは聖ペトロ大聖堂での記念ミサに与った後、兵舎の近くにあるスイス衛兵戦没者碑に花輪を捧げて祈った。
続くバチカン宮殿での謁見で、教皇はスイスで話される独・仏・伊の3カ国語で挨拶をおくられ、衛兵らの日頃の熱心で忠実な任務に心からの感謝を示された。
さらに新入隊員らへの挨拶で、教皇職開始ミサでの「教会は若く、生きている」という言葉を繰り返された教皇は、若い新鮮な心をもって教会に奉仕し、任務を通してキリスト者としての生き方を追求するよう、励ましをおくられた。
教皇はまた、新入隊員の家族らにも温かい言葉をかけられた。
夕方からバチカン宮殿の聖ダマソの中庭で、30人の新入隊員を迎え、伝統にのっとった宣誓式が行われる。
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