親愛なる兄弟姉妹の皆さん
「私はあなたたちに私の平和を残す」。ヨハネの福音書から取られたこのキリストの言葉は、今日から始まる「キリスト教一致祈祷週間」の今年のテーマとなっています。このテーマは、特に平和と一致の必要性が唱えられている中東の教会からの提案によっているとう事実は、大変意味深いことだと思います。
この8日間、世界中に散らばる様々な宗派のキリスト教徒たちが、完全な一致を実現するために主に熱心に祈ることでしょう。キリスト者たちがその一致のために祈るのは、キリストが残してくれた約束の意味の豊かさからくることなのです。それはまた平和の福音的な恵みとそれに付随する義務についての毎日の黙想が推し進めることでもあるのです。
キリストはご自分の平和を約束するにあたって、試練において弟子たちを支えることをも保証されました。キリスト者たちの長引く分裂は痛ましい試練そのものだとは言えないでしょうか。ですからキリスト者たちは、完全な一致に至るための長く困難な道にあって気落ちすることのないよう、唯一の主に助けを求める必要性を強く感じるのです。
事実、平和に渇く世界にあって、キリストの福音を相応しく述べ伝えるのは、すべてのキリスト教共同体にとって緊急を要する一大事です。キリスト者たちが新たな人類のパン種となることによって、喜びと希望と平和をもたらすものとなり、神の愛を証しするのは絶対に必要とされることです。
この祈祷週間がキリスト者たちの一致のために豊かな実をもたらすよう心から願っています。そして、この週間がキリストを信じる人々にとって主の平和の中に兄弟的な抱擁を交わす好機となるよう希望します。キリストの御母聖母マリアが、この恵みを獲得するために、母としての取次ぎをしてくださいますように。
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