「代々にわたって、この夜、主のために徹夜をするのである」(出12,42)。
今晩、典礼における徹夜祭中の徹夜祭、「復活徹夜祭」を祝います。この徹夜祭において私たちは、復活讃歌が繰り返し歌っているように、その創造から、救いのみ業の絶頂、イエスの死と復活へ到る人類の救いの歴史をたどります。
「今やキリストは死んだ人々の中から復活し、死の眠りについていた者たちの初穂となった」(1コリント15,20)
キリストの光は典礼暦年の中心と呼ばれる「記念すべきこの夜」を昼のように輝かせます。この夜、全教会は徹夜しながら神の救いのみ業の主要な出来事を黙想しながらたどります。
多くの聖書朗読によって象徴性に富んだものとされる「主の誉れのための復活徹夜祭」は、二重の意味を持っています。
一方では、聖書の主要部分、創造からイザクのいけにえ、紅海の通過から新しい契約の約束など、神の救いのみ業の不思議を祈りの中に思い起こします。
もう一方では、この徹夜祭は神のかつての約束の成就に対する完全な信頼を表しています。神の救いのみ業の記念は、キリストの復活をもって最高潮を迎え、同時に、キリストの最後の再臨に私たちの注意を向けます。
このように復活徹夜祭において、私たちは決してかげることのない日、新しい生命、新しい天、新しい地の創始者、復活したキリストの日の曙を垣間見るのです。
キリスト教共同体は、最初から洗礼式を復活徹夜祭の中で行っていました。この式において、洗礼志願者たちは、キリストと共に死に、キリストと共に永遠の生命によみがえります。こうして、聖霊によって行われる神秘的な再生が新たにされるのです。
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