親愛なる兄弟姉妹の皆さん
今日の日曜日のミサ中で朗読される福音は「金持ちと貧しいラザロ」の喩え話です。金持ちは、贅沢三昧な生活をおくり、戸口にいる飢えた物乞いのことなどまったく心にもかけません。しかし、両人の死後、状況は全く反転します。物乞いしていた貧しいラザロは天国に迎え入れられ、贅沢を極めた金持ちは地獄の苦しみに突き落とされます。
この喩え話が教えようとしていることは、はっきりとしています。各自が自分の富を利己主義的に使用するのではなく、必要に迫られている人々への連帯のために活用すべきということです。
有名なこの福音書の喩え話は、今日の世界のように貧富の差が極端に大きくなっている時代に大変相応しい教訓を提供しています。先日、ニューヨークの国連総会では、各国首脳が集まり、「飢えと貧困」に対抗するためのより効果的で連帯に富んだ行動について討議しました。この総会にはバチカンの代表として国務長官アンジェロ・ソダノ枢機卿も出席し、意見を発表しました。
カトリック教会は、世界の飢えや他のあらゆる悲惨な状態からの解放を目指す計画には全面的な協力を惜しみません。これに関して、最近バチカンで開かれたアフリカ諸国駐在の教皇大使たちの会議を私は大変喜ばしく思っています。
国際共同体の世界の正義や進歩のためへの努力が実を結ぶよう私たちは心を合わせて祈りましょう。
神がすべての子らのために準備されたこの世の恵みが、すべての人々に公平に分配されるよう聖母マリアに祈りましょう。
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