アンジェラス・説教(要約)
(2005.11.20)

 
 

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 典礼暦年最後の日曜日にあたる今日、「王であるキリスト」の大祝日が祝われます。聖母マリアを通してこの世に来られた神なる父の一人子は、その誕生の告知の時からダビデ王の後継者としてメシア的な意味で「王」として呼ばれています。この王の王座は預言者たちによって終わりのない王座と約束されたものでした。

 キリストが王であるということは、ナザレでの30年間の生活の中では完全に隠されていました。キリストはその後の公生活において、この世のものではないご自分の新しい王国の到来を宣言されました。キリストはその王国を十字架上の死と復活によって完全に実現されました。復活されたキリストは使徒たちに現れ、「天と地におけるすべての権限が私に与えられた」と言われました。

 この権限は神が御子の犠牲において完全に示されたその愛に由来します。キリストの王国は、受肉され人となられた神のみことばを信じる者は誰でも「死ぬことなく永遠の生命を得るために」、すべての時代の人々に与えられた恵みです。ですから、聖書の最後の書、黙示録においてキリストは、「わたしはアルファでありオメガ、すべての始めであり終わりである」と宣言しているのです。

 40年前に発布された第2バチカン公会議文書「現代世界憲章」の第1部の最終節には「始めと終わりであるキリスト」という表題がつけられています。公会議は現代人の問題やその運命、そして現代世界が置かれている状況を、キリストが万物の王であるという観点から再解釈しています。教会の使命は常に、すべての人がそれぞれの召命を完全に実現することができるよう、キリストを告げ、証しすることです。

 神がその御子キリストの王権に特別な方法で参与させた聖母マリアが、私たちが愛と正義と平和のキリストの王国の到来に忠実に協力するために、キリストを生命の主として受け入れることができるよう助けて下さいますように。


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