諸聖人大祝日
ミサ・説教(抄訳)
(2006.9.25)

   

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん

 今日、教会は諸聖人の大祝日を祝います。今、私たちはミサの入祭唱で「主において喜ぼう」と歌ったばかりです。典礼は天国の聖人たちの喜びに私たちも加わるようにと招いています。天国にいる聖人たちに目を上げましょう。天国にはたくさんの聖人たちがいます。ただ公に列聖された聖人たちばかりでなく、名前も顔も知られていない無数の聖人たちが主を賛美しています。洗礼を受けたすべての人が聖人になるよう召されています。聖人たちとは、その生涯にわたって愛をこめて忠実に神のみ旨を果たした人々のことです。聖人たちは星のように神の大空に光り輝いています。

 今日、教会はこの諸聖人の大祝日をもって「聖人たちの母、天の都」としてのその尊厳を寿ぎます。そして、すべての聖性の源であるキリストの汚れなき花嫁としての美をも表します。もちろん、教会の子らの中には、かたくなな子や、逆らいの子がいないわけではありません。しかし、教会は聖人たちの中に教会の真の子らの特質を見て、大きな喜びに満たされるのです。

 黙示録の著者は「誰もその数を数えることができないほど沢山の聖人たち、あらゆる国々、民族、言語を持つ無数の聖人たちがいる」と書き記しています。この聖人たちの大群衆の中には、旧約時代の義人たちや太祖たちも、また新約時代の無数の聖人たち、初代教会時代の殉教者たち、そしてそれに続く世紀から今日に至るまでキリストの証人として生きた人々がいます。彼らは皆、神の民の魂、教会を永遠に生かす聖霊の導きに従って、キリストの福音のためにその生涯を捧げ尽くしたのです。

 諸聖人の大祝日の意味はどこにあるのでしょうか。それは聖人たちの輝かしい模範を見て、彼らのように聖人になりたいとの望みを私たちの中にも呼び覚ますことです。私たちは皆、聖人になるよう招かれています。第二バチカン公会議はこのことを強く思い起こさせてくれました。万人の聖性への召命について今日は特に注意深く考察しましょう。

 一体、聖人、すなわち神の友になるにはどうしたらよいのでしょうか。この質問に、聖人になるにはこうである必要はない、という観点からまず答えてみましょう。聖人になるために何も特別なことをする必要はありません。また何か特異なカリスマを持つ必要もありません。では何が必要なのでしょうか。ただ単にキリストに「従うこと」、困難に遭遇してもキリストの言葉に耳を傾け、勇気を失わずにひたすらにキリストにつき従うことです。

 しかし、聖性を目指すこのような生き方には、絶え間ない努力が必要です。けれども、これは誰にでも可能なことです。なぜなら聖性に達するということは、人間の業というより、何よりも聖性そのものである神の恵みだからです。

 キリストはご自分のすべてを私たちの救いのために捧げ尽くし、その永遠の完全な聖性を私たちに示されました。そして、それだけではなく、そうすることで私たち一人ひとりをもご自分との親しい内的な交わりに招いておられるのです。キリストに倣い、キリストに一致すればするほど、それだけ私たちも神の聖性の神秘の中に奥深く入り込むことができるのです。

 私たちは本当にキリストから愛されているのだという事実を再発見しましょう。そうすれば、私たちも兄弟たちをますます愛するようにと刺激されるのです。

 聖性に達するための道は、キリストが説かれた真福八端の中に示されています。キリストは「心の貧しい人は幸い、苦しむ人は幸い、柔和な人は幸い、義に飢え渇く人は幸い、あわれみ深い人は幸い、心の清い人、平和のために働く人、義のために迫害される人は幸い」と言われます。

 本当の意味で、また最高の意味で幸いだったのは実はキリストただお一人です。実際、キリストこそ真の意味で貧しく、苦しみ、柔和で、あわれみ深く、心の清い、平和の使者であり義のために迫害された方でした。

 キリストの言葉とその模範に忠実に従うなら、私たちもキリストと共にその真の幸福に参与できるのです。キリストと一緒なら、私たちには不可能なことも可能になります。なぜなら、キリストご自身がその福音の中でも言っているように、神の力によればラクダさえ針の穴を通り抜けることができるからです。ただ神の助けをもってはじめて、天の御父が完全なように、私たちも完全になることができるのです。

 親愛なる兄弟姉妹の皆さん、聖性に達するために私たちを刺激し力を与えてくれる聖体祭儀の最も大切な中心部分に、これから私たちは入ろうとしています。今しばらくすると、生命の幹であるキリストがその枝である私たちのために祭壇上に神秘的な方法で現存されます。天上の凱旋の教会と地上の旅する教会が固く結び合わせられます。

 今すでに天上の教会で神の栄光の中に至福を享受している私たちの先輩である諸聖人たちに、私たちも彼らのように神の招きに寛大に忠実に応えていくことができるよう、助けを祈りましょう。そして、特に主の御母であり、あらゆる聖性の鑑である聖母マリアに祈りましょう。至聖なる方、聖母が、私たちをその御子イエス・キリストの忠実な弟子としてくださいますように。

 

vatican radio

strumenti di navigazione links & sourcesprofessional servicewho we arethe Pope's voicebroadcasts on demandlive broadcasts

 

 

 

 



















 

 

 

 

 







 


 



 

 

trasmissioni in direttatrasmissioni on demandlink e fontilink e fontichi siamola voce del papa