教皇ベネディクト16世は、バチカンで11日、水曜恒例の一般謁見を行われた。
ローマでは、連日晴天のもと厳しい寒さが続いている。この朝、謁見会場となったパウロ6世ホールは、およそ8千人の参加者でいっぱいとなった。
謁見中の教皇によるカテケーシス(教会の教えの解説)では、夕べの祈りの考察として、旧約聖書・詩編第144番の前半が取り上げられた。
詩編144は、他の詩編の表現をも取り入れながら、勝利と平和を祈る王の神に対する賛美を歌っている。
教皇はまず、詩編作者が神を、砦、逃れ場、守り手など救い主としての性格を持った言葉で連呼していること、さらに王が謙遜のうちに自分自身の弱さと脆さ、すなわち被造物としての限界を認め、神がみ心に留められるこの人間とはいったい何者なのかと自問していることに注目された。
そして、自分を造った神を知るということに人間と他の被造物との違いを見出し、創造主を知ることの大きな幸福を説くオリゲネスの言葉を引用された教皇は、キリスト者にとって神は、われらと共にいます神(インマヌエル)であり、神を現実として、友情と一致として知る喜びを強調された。
謁見参加者への言葉で教皇は、今年活動25周年を迎えるイタリアの薬物依存者更生共同体連盟の関係者に向け、今後も麻薬と疎外の犠牲者たちに対する支援と社会復帰活動を続けてほしいと励ましをおくられた。
また会場には、一昨年ロシアの北オセチア・ベスランで起こった学校占拠事件に巻き込まれた子どもたち約30人の姿があったが、教皇は謁見後ホールの一室で児童たちとお会いになり、通訳を通して一人ひとりの名前を聞かれ、優しく話しかけられた。
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