1) 「イエスは、あらゆる点で兄弟たちと同じ者とならなければなりませんでした。それは、神の前に、あわれみ深い、忠実な大祭司となって、民の罪をあがなうためでした」(ヘブライ2,17)。
使徒聖パウロのヘブライ人への手紙から取られたこの言葉は、今日の主の奉献の祝日のメッセージを大変よく表現しています。過ぎ越しの神秘との関連において、祝日の意味を分かりやすく解説します。
今日記念する祝日は、モーゼの律法によって定められた規定の実行です。それはマリアとヨセフがイエスの誕生後40日目にその初子を神殿で神に奉献したということです。
この奉献は主の受難、死と復活の神秘において完全な実現を見ます。その時、主は最後の最後まで私たち人類と運命を共にしながら、「あわれみ深い、忠実な大司祭」としてのご自分の使命を全うされました。
そして、神殿での奉献の際、カルワリオの丘の上でと同じように聖母マリアは、忠実なるおとめとしてイエスの傍らにおりました。
2)今日の典礼は、ろうそくの祝別と、キリストに出会うための祭壇までの行列によって始まります。光栄の中に再臨される主を待ちながら、ご聖体の秘跡の中に主の存在を認めます。
この光と信仰と希望の雰囲気の中で、教会は今日「奉献生活者の日」を祝います。神のみ国の到来のためにその生涯をキリストに完全に捧げ尽くしたすべての人々が、今日、彼らが神から頂いた特別な召命に対する答えを更新するよう招かれています。
ただそれだけではありません。全教会も、それぞれの会の持つ様々な使徒職やカリズマの中に、奉献生活の預言的な証しの豊かさを再発見するのです。
3)賞賛と感謝の気持ちを込めて、すべての修道者たちに心からの挨拶をおくります。
キリストは、愛のために従順で貧しく貞潔な者となられたご自分にますます一致し、彼のようになるようにと皆さんを招いています。これからも熱心にキリストのみ国の宣教のために献身してください。これこそ、昔と同様、現在最も必要とされている皆さんの使命です。
4)親愛なる修道者の皆さん、あなた方のためにこの日は、皆さんが初誓願を立てた時の偉大なあの寛大さと熱心とをもう一度更新するための最良の機会ではないでしょうか。毎日「愛の神」に喜びと確信を持って皆さんの誓願を更新しなさい。
観想修道院の禁域の中で、貧しい人々や疎外されている人々の傍らで、若者たちの間や様々な教会関係の施設で、いろいろな使徒的活動や宣教地で、神は皆さんがその愛に忠実にとどまり、兄弟たちの善のために献身することをお望みです。
これこそ希望の福音が現代のすべての男女に到達するために、皆さんが教会に提供することのできる貴重な貢献です。
5)エルサレムの神殿でその御子を神にお捧げする聖母マリアを観想しましょう。お告げの際に無条件で神の御旨を受け入れた方、聖母マリアは、今日ある意味で「私は主のはしためです。みことばの通りなりますように」との言葉を繰り返します。神のご計画に対するこの聖母の従順はその生涯にわたるものでした。
聖母マリアはすべての奉献者の第一の最高の模範です。親愛なる兄弟姉妹の皆さん、聖母の指導に素直に従いなさい。特に試練の時に信頼を込めて聖母に助けを願いなさい。
聖母マリアよ、このあなたの子らを見守り、「イスラエルの光栄、人々の光」キリストへと彼らを導いて下さい。救い主の御母、乙女の中の乙女よ、私たちのためにお祈りください。
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